テンセグリティを作ってみました

ここ1〜2年筋膜(fascia)は興味を持ち取り組んできたテーマの一つです。そんな中、テンセグリティという概念を知りました。

テンセグリティー(tensegrity)とはTension(張力)とIntegrity(統合)の造語で、オブジェなどを制作してきたアーティストのケネス・スネルソンがテンセグリティー構造という引っ張る力と圧縮する力によって均衡を保たれる構造を発見し、バックミンスター・フラーによって広められた概念です。圧縮材と引張材から成る構造で、圧縮力と張力という相反する力の釣り合いによって、構造が自己安定化する構造システムです。

テンセグリティの概念を身体構造に用いたのはロルフィングでした。ロルフィングとは、約50年前にアメリカ人生化学者Ida Rolfによって編み出されたボディワークです。

わかりやすい例は人間をテントにみたてたもので、骨はテントの杭の部分、そして大きく広がる帆布が筋膜、それらをつなぐゴムが筋肉です。

テンセグリティと筋膜の構造が分りやすい動画。

このように筋膜を探求するうちにテンセグリティ構造に興味を持ち、木材と輪ゴムで6本組テンセグリティ模型を作ってみました。

テンセグリティ

写真では分りにくいかもしれませんが、圧縮材である木材が接することなく、引張材である輪ゴムとの圧縮力と張力がつりあって構造を維持しています。模型を作ってみると、イメージしていたより絶妙のバランスで構造が成り立っているのが分ります。

人間のからだもレンガを積み上げたようなものではなく、テンセグリティ構造のように圧縮力と張力が絶妙にバランスしながら成り立っていると捉えてみると、施術中によく起きる足の調整で頭部の違和感がとれるなどの現象を分りやすく理解することが出来ます。また自分のからだをこのモデルを連想しながら動かすと、動きの質が変化してきます。

テンセグリティを意識しながら座る動作、立つ動作を検証してみると、面白いことに普段はほとんど感じることのない重力の存在を強く感じました。これが面白いのはロルフィングの特徴のひとつが『重力との調和』であるからです。

テンセグリティをイメージしながら重力を感じながら立つと、不必要な力が抜け自然に立て、気功でいうと命門を開いて立つ立ち方、別な言い方ではしっかりと丹田に重心が来る立ち方、いわゆる”正しい立ち方”が無理なくできます。

筋膜とテンセグリティ。面白いテーマです。まだこれからも探求していきます。

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